たいてい寝ようと思わなくても、自然と寝てしまうものだ。
どんなに忙しくても、もちろん何もすることが無くても
今日は昨日に、明日は今日としてまた始まる。
きっと人々の時間をいれかえ、気分を取りかえる面倒な作業を
寝ている間にしてくれる人がいるのだろう。
睡魔が襲ってくるのも彼のせいにちがいない。


寝ぼけた脳裏にわずかな涼しさを感じるとき

僕の周りを覆い尽くしている厚い霧が

次第に指先に集まって

目の前に見たことの無い風景が現れてくるけれど

見るものに感情を呼び起こそうとすると

我に返って、また目の前に霧が立ち込めてしまう。

ずっと手探りで探し続けている出口には

あの、全身で涼しさを包み込む世界があるのだろうか。


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Written By GloomyWind 2003/2/21
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